マンションを売る良いタイミングとは?

「同じマンションを半年前に別の人が売却したときは良い値段ですぐに売れた」と聞いていたので安心して売却に出したのに、売却できるまで長くかかり価格も低くなってしまったということがあります。マンションを売るにはタイミングというものがあり、うまく売り時に乗ればスムーズに売却できる可能性が高いのですが、そうでない場合はなかなか売れないということも起こり得ます。

そのタイミングはどのような時期なのでしょうか。

マンションを売るにもローン残債が気になる!

土地の価格や経済状況の変動によるタイミング

同じマンションなら築年数は当然同じです。リフォーム歴があれば少し高く売値をつけることができますが、築年数が25年以上経過すればほとんど建物の価値はゼロに近くなり、土地の価格が売値ということになります。そして、土地の価格もいつも同じではなく、変動します。

周辺に大きなスーパーができたり、鉄道の駅ができたりして利便性が良くなり、人々が集まるようになったというだけでその周辺の土地の価格は徐々に上がってくるのです。また、オリンピックや万博など国内で大きなイベントが行われる会場近くの土地は、そのイベントが近づくにつれ街がどんどん開発されていくため、土地の価格は高騰していきます。

逆に国内外で経済的な不況が起こってくると、土地の価格も全体的に下がってきます。そのような世界的な経済不況はいつ起こるかわかりません。このように土地やマンションの価格は変動し、高くなれば高い売値がつけられるし、安くなれば土地の価格に応じた売値にしないと売ることが難しくなります。

だからこそ、その時の土地の価格に応じた売値をつけることが必要です。同じマンションで半年前は高値で早く売れたことがあっても、その後世界情勢などに何らかの不幸があって不況の波が来てしまうと売値が高ければ売れないし、購入を考える人も少なくなってしまうのでなかなか買い手がつかないということになります。

そんな場合でも早く売りたいという場合は値段を下げて売却する必要があります。

時期によるタイミング

引越しシーズンは3月から4月と8月ごろです。4月から新しいところで生活をするために、3月後半に引越しのピークがあります。転勤の辞令は半年前から下りるというところはあまりなく、ほとんどのところが直前や2、3か月前になるので、1月から3月にかけて慌てて次の家を探す人が多くなります。

そのため、マンションの売り時もそのころと言えます。また、8月も子どもが1学期を終え、2学期から新しい学校に行けるように夏休みの間に引越しをする人もいます。そのような場合は6月から7月にかけて次の家を探すことになります。

このように1月から3月、6月から7月がマンションの売り時と言えますが、1月から3月が1年の中で最も家を探す人が多いのでできれば前年の年末から動き始め、1月から3月の売り時の波に乗っていくのが良いでしょう。

築年数による売り時

マンションでも戸建てでも築年数が10年未満の場合はまだ設備も内装も新しいので、土地の価格に相当額の建物価格がつけられて売値をつけることができ、築10年から15年くらいまでも10年未満の建物よりは価格が低くなりますが、建物の価格として上乗せすることができます。

しかし、築15年を過ぎてくると設備の修繕やリフォームが必要になってくる物件が多くなるので、建物の価格が急激に落ちてきます。そして、築25年以降になるとほぼ建物の価値はないと言われています。しかし、戸建てよりもマンションの方が新築の時の建物の価値が高いため、築年数による下落度が急激です。

新築時の建物自体の価格は坪単価が戸建てよりもマンションの方が2倍近くしますが、築15年を超えると戸建ての価格の1.4倍ほどになり、築20年を超えると1.2倍くらいの差にまで下がってしまい、建物の価値がほとんどなくなってしまいます。

そのため、マンションは築6年から15年くらいまでに売るようにすると、建物価格をつけて売ることができます。

リフォームによるタイミング

マンションの場合、築20年以上経過すると建物や設備が老朽化して、何らかの設備の交換やリフォームが必要になってきます。マンションを売却するにあたり、築20年以上経過すればほとんど土地の価格のみの売値になってしまうのですが、リフォームの内容によっては付加価値をつけることが可能です。

しかも、売却をする直近でリフォームをしていれば、マンションの築年数は古くても部屋の中は新築同然になるので、何もリフォームをしていない部屋に比べると高い売値をつけても購入希望者が現れる可能性が高くなります。

売却をする時期よりもずいぶん前にお風呂やトイレを変えたという場合でも、そのリフォームを行った時期が何年前であるのかはっきりわかっているとアピールしやすくなります。築20年以上経過して、ほとんどリフォーム歴がない場合は土地の価格のみの売値になりますが、自分の好きなようにリフォームやリノベーションをしたいという人が購入を希望することもあるので、室内が古い感じがするからと言って売れないというわけではありません。

土地の価格だけですが、そのままの状態で売るという方法もあります。

金利相場によるタイミング

マンションを購入する人の多くが住宅ローンを組んでの購入になりますが、住宅ローンには金利がついてくるので当然金利の安い時に購入を考えます。そのため、金利が安い時がマンションを売る良いタイミングということになるのです。

金利は1%違うだけで返済総額が数百万円も変わってくることになるため、少しでも金利の低い時が買い時、すなわちマンションの売り時です。金利が低い時は購入する人が多くなるので、マンションの売値が少々高くても売れる可能性が高くなります。

譲渡所得税率によるタイミング

売却する側の問題ですが、マンションの売却には税金がかかります。参考元⇒マンション売却の心得 - マンションの売却

売却する年の1月1日時点で所有期間が何年であったかによって決まるのですが、5年以下であれば「短期」、5年を超えていれば「長期」となり、税率が変わってきます。譲渡所得税率が長期の場合は15%に対し短期なら30%、住民税率が長期なら5%に対して、短期なら9%かかってくるのです。

それにプラスして、両方共通で所得税に2.1%かけた復興所得税率の3つを合わせた金額を支払う必要があります。総税額は長期なら20.315%のところ、短期なら39.63%にもなるので、できれば5年以上所有してからのタイミングで売却をするのが良いということになります。